2026/07/08 22:41

引き揃え糸って、実はむずかしくない。

こんにちは、イップムです。

先日、わたあみさんのワークショップに参加させてもらったのですが、そこで「引き揃え糸(数本の糸を引き揃えて一緒に編む糸)の扱いに困っている」という声を、思っていた以上にたくさん聞きました。

実際に編んでみると、引き揃え糸ってそんなに難しいものではないんです。ただ、「一本の糸でしか編んだことがない」という方からすると、なんとなく身構えてしまう。固定観念みたいなものが、少しハードルを上げてしまっているのかなと感じました。

なので今回は、そのハードルを取り払えるように、引き揃え糸の扱い方をまとめてみます。ワークショップでよく挙がった「二つのお悩み」に沿ってお話ししますね。

お悩み① 数本のうち、1本だけ長さ(テンション)が合わなくなる

引き揃えて編み進めていくと、「数本あるうちの1本だけがゆるんで長くなる」「逆に1本だけ突っ張って短くなる」——こんなふうに、糸ごとの長さ(テンション)が揃わなくなってしまう、というお悩み。これが一番よく聞くものでした。

まずは根本から:大きめの針を使う
以前、こちらのブログでも書きましたが、引き揃え糸の根本的な解決は「大きめの針を使うこと」です。ここがまず土台になります。

そのうえでのコツなのですが、大きい針で、数本の糸をまんべんなく・漏れなくすくうことを意識してみてください。

というのも、すくい方に偏りがあると、糸それぞれの引っ張り具合にムラが出てしまいます。すると、うまくすくえていない糸だけがだんだん余ってきて(あるいは突っ張ってきて)、後ろの糸の長さがどんどん合わなくなっていくんです。

針にかかった輪っかのテンションを揃える
もうひとつ大事なのが、針にかかっている糸の輪っかの部分。ここで、引き揃えている全部の糸が同じテンションで保たれている状態をつくることです。ここが揃っていないと、やっぱり後ろの糸から少しずつ崩れていってしまいます。

「まんべんなくすくう」+「輪っかのテンションを揃える」。この二つがセットだと考えてもらえたらと思います。

全部の糸を拾えているか確認する方法
「ちゃんと全部の糸を拾えているかな?」と不安なときに使える、かんたんなチェック方法があります。

引き揃え糸がずれているときって、針にかかっている輪を上に引っ張ってみると、スムーズに引けないという特徴があるんです。どこかの糸が偏っていたり、拾い漏れていたりすると、引っかかって上手く動いてくれません。

なので、正しく糸を拾えているか確かめたいときは、かぎ針にかかっている輪を、上下に軽く動かしてみてください。 スーッとスムーズに上下に動けば、引き揃えた糸が全本数きちんと針に引っかかっている、という目安になります。逆に引っかかってスムーズに動かないときは、どこかの糸が拾えていないサイン。もう一度すくい直してあげましょう。

もし途中で崩れてしまったら
とはいえ、編んでいる途中でどうしても崩れてしまうこともあります。そんなときの対処法を、気軽なものから順に。

その1:まず、気にしすぎない
そもそもの前提として、ippumで扱っている引き揃え糸はボリュームのあるものが多いです。だから、ちょっとくらいぐしゃっとなっても、編み地の中に馴染んで意外と目立ちません。まずは気楽に構えてもらえたらと思います。

その2:糸を多めに引き出しておく
糸それぞれのテンションが違って突っ張っていると、編みづらさにつながります。そこで、編みながら引き揃え糸を最初に多めに引き出しておくと、突っ張りを感じにくくなって、ぐっと編みやすくなります。地味ですが効く小ワザです。

その3:その一目だけ、テンションを整えて編む
どうしても気になるときは、崩れを感じたタイミングで、「ちょっとぐしゃっとなるのは前提」と割り切って、その一目だけ引き揃え糸のテンションを手で揃えてから編みます。一目直せば、また落ち着いてくれることが多いです。

その4:どうしても編み地をきれいにしたいときは、切って編み直す
テンションが大きく狂ってしまって、どうしてもきれいに仕上げたい——そんなときは、そのタイミングで一度糸を切って、そこから新しい糸として編み始めるのもアリです。思い切りが大事。

お悩み② 飾り(ピロピロ)が、表と裏でうまく出てくれない

もうひとつは、バタフライヤーンのように、糸から飾り・ループ(ピロピロ)が出るタイプの糸ならではのお悩み。

編むときの手癖によって、この飾りが表面に集中して出る人、裏面に集中してしまう人、ちょうどよく出る人——と、けっこう個人差が出るんです。「せっかくの飾りが裏側にばかり隠れてしまう」というのは、よくあるお悩みでした。

引き出して直すのは、あまりおすすめしません
飾りがうまく出ないと、つい引っ張り出したくなるのですが、これはあまりおすすめしていません。無理に引き出すと、飾り部分がちぎれてしまう恐れがあるからです。

まずは編んでみて、「よく出る面」を表にする
いちばんシンプルな解決は、とりあえず一度編んでみて、飾りがよく出てくる方の面を「表」にしてしまうこと。

往復編み(平らに編むもの)なら、これでほとんど解決します。よく出る面を表向きに使えばいいだけなので。

筒状に編むときは、編み方で調整する
ちょっと工夫がいるのは、筒状に編んでいくとき。ぐるぐる編んでいくものは、どこかで「こっちを表にする」と決める必要があります。

そういうときは、編み図や編み方を少し見直して、飾りがうまく出てくる面に合わせて調整していきます。ここが自分でコントロールできるようになると、引き揃え糸はぐっと扱いやすくなりますよ。

まとめ:まずは、気楽に編んでみてください
ここまでいろいろお伝えしてきましたが、いちばん伝えたいのは、「そんなに気負わなくて大丈夫」ということ。

テンションのズレも、飾りの出方も、編み地全体で見れば大きく印象を左右するものではありません。ボリュームのある引き揃え糸なら、多少のことは自然と馴染んでくれます。

コツを頭の片隅に置きつつ、まずは気楽に、引き揃え糸ならではの色や質感の重なりを楽しんでもらえたら嬉しいです。難しく考えず、まずは一段、編んでみてくださいね。

イップムのオリジナル引き揃え毛糸